平成17年度 保健・医療 ブロック 講義末試験 大槻領域
1.薬事に関して正しいのはどれか。
a 化粧品は薬事法の対象外である。
b 医療機器は薬事法の対象外である。
c 薬局は病院・診療所内に設置される。
d 生物学的製剤の検定は国立感染症研究所で行う。
e 毒薬は白地に紺の字で記す。
2.以下の組み合わせで正しいものはどれか。
a 薬局管理者 ・・・ 医師・歯科医師・薬剤師が可
b 医薬分業 ・・・ 達成率80%超
c 保険薬剤師 ・・・ 厚生労働大臣の認めた者
d 特定生物由来製品 ・・・ トキソイド
e 特定生物由来製品の記録 ・・・ 少なくとも15年間保管
3.臨床試験について正しいものはどれか。
a 第1相試験では病気への効果が判明する。
b 第2相試験は健康人を対象とする。
c 第3相試験は比較試験で有効性が立証される。
d 第4相試験後に市販される。
e 副作用報告は製薬企業にのみ義務化されている。
4.アスベストとその健康影響について正しいのはどれか。
a 現在は日本では全面使用禁止である。
b 石綿小体は末梢血塗沫標本で観察される。
c 上皮型中皮腫のエックス線写真像が胸膜プラークである。
d 胸水でのヒアルロン酸は高値を示すことが多い。
e 中皮腫発癌性はクリソタイルが最も高い。
5.発癌機構について正しいものを2つ選べ。
a DNA修復酵素遺伝子の不活化は発癌を生じる。
b CYP1A1はベンゾピレンを代謝する。
c 複数回のイニシエーション刺激で細胞癌化が成立する。
d エームス試験ではメチオニン要求性の変化を観察する。
e エームス試験はショウジョウバエを用いる。
6.ダイオキシンの発癌について正しいものを選べ。
a 活性酸素産生が主作用である。
b 代謝物のDNA親和性は臓器によって異なる。
c IARCでは造血器と肺を発生臓器としている。
d P-450酵素のSNPsで発症が異なる。
e Ah receptorへの結合が重要である。
7.岡山県寄島町にある「いるかの家リハビリテーションセンター」での見学が修了した。以下のうち正しいのはどれか。
a 寄島町の老年人口割合は50%に至る。
b 海と山に挟まれた零細農業の町である。
c 経営主体の医療機関は離島医療も行っている。
d グループホームの併設は独居老人対策である。
e 町の健康問題としては慢性閉塞性呼吸器疾患が最重要である。
8.放射線とその健康障害について正しいのはどれか。
a 自然放射線は宇宙線のみである。
b Gy(グレイ)は崩壊原子数の単位である。
c 不妊にはしきい線量がない。
d 発癌については線量反応関係は直線と仮定する。
e 放射線業務従事者の全身線量限度は100mSv/5年,もしくは50mSv/1年未満である。
9.非電離放射線の健康障害について正しいものはどれか。
a レーザー光線は網膜や角膜の火傷や白内障を生じる。
b マイクロ波の影響はC5-dip が有名である。
c 赤外線影響の生物学的モニタリングは尿中β2-microglobulin検査である。
d DNAの最大吸収波長は UVA 領域である。
e 紫外線では UVAよりUVCの波長が長い。
10.産業医について正しいものを選べ。
a 騒音業務で750人の労働者の事業場では選任1名を要す。
b 常時3,500人の労働者の事業所では1名の委嘱と1名の専任を要す。
c 職場巡視は隔週に義務付けられている。
d 労働安全衛生法上の用語で,労働基準法では衛生管理者と呼ばれる。
e 近年は労働者の生活習慣病の治療が主業務に転換してきている。
11.許容濃度について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 天井値はTLV-Cと共通の概念である。
b 最大許容濃度では,老人や小児への影響も考慮されている。
c 許容濃度より天井値が低い設定である。
d 定義上,許容濃度以下であれば健康障害は皆無となる。
e 日本の場合,天井値は限られた物質において決められている。
12.作業環境管理について正しいのはどれか。
a 保護具の選択が最重要課題である。
b 第3管理区分の作業環境では,この状態の維持が必要である。
c 酸素欠乏危険作業所では半月に1回の測定が義務付けられている。
d 改善策には危険作業の廃止や有害原材料の無害物への転換などがある。
e 中央管理方式の空気調和装置を持つ事業所では有機溶剤濃度の測定が必須である。
13.定期健診の有所見率について正しいのはどれか。
a 最多の項目は血圧である。
b 全体では,最近15年間で大きな変動はない。
c 項目別では胸部X線検査陽性率の減少と心電図異常の顕著な増加が特徴である。
d 血糖検査は平成11年より導入された。
e 血中IgEの陽性率増加が,昨今の花粉症の増加と一致している。
14.職場のメンタルヘルスについて正しいのはどれか。
a WHO作業関連疾患でもストレス関連疾患が挙げられている。
b 過労死での労災認定は産業医が行う。
c 労働者のストレスの測定には血中脂質とコルチゾール値がよく利用されている。
d THP下では,うつ傾向のある労働者の心理相談は精神科医師に委譲する。
e 過労自殺はバブル崩壊後10年をピークに以後減少している。
15.生物学的モニタリングについて正しいのはどれか。2つ選べ。
a 全項目は定期健診に入っている。
b スチレン作業所では尿中トリクロル酢酸を測定する。
c トルエンには尿中馬尿酸,キシレンには尿中メチル馬尿酸を測定する。
d 尿中ΔALAは四アルキル鉛業務従事者の健康診断項目ではない。
e アスベスト取扱者には退職後も尿中アスベスト濃度を測定する。
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事業場(労働者) |
・・・ |
産業医 |
a |
1,250人 |
・・・ |
専任1人 |
b |
危険有害作業650人と通常業務計2,500人 |
・・・ |
専任1人 |
c |
35人 |
・・・ |
嘱託1人 |
d |
750人(うち有害業務100人) |
・・・ |
嘱託2人 |
e |
65人 |
・・・ |
専任1人 |
9.総合職として入社し,現在は企画室長補佐である35歳女性が産業医であるあなたのもとを受診し「最近,気持ちが落ち込んでいて,仕事に身が入らない。もう会社を辞めたい。」と訴えました。あなたの方針として最も好ましいのはどれでしょう。
a 退職勧告を出す。
b 心理相談員の必要を認め,面談/カウンセリングを勧める。
c 抗精神薬を投与し産業医として治療を開始する。
d 気分転換にと一人旅行を勧める。
e 事務職への転換と,配置換えを決める。
10.生物学的モニタリングについて正しいのはどれか。
a じん肺,呼気中のCOをモニターする。
b 鉛とベンゼンの中毒時の貧血は同じ機序でありHbの測定をする。
c 尿中馬尿酸は,月曜出勤時に採尿する。
d 尿中総三塩化物の測定は,金属塩の曝露モニターに必須である。
e 尿中トリクロル酢酸の測定資料は週の後半の日の終業時に採取する。
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